代謝・内分泌グループ

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代謝・内分泌グループ紹介

 
 先天代謝異常症、内分泌疾患、小児糖尿病などを診療対象としています。新生児マススクリーニング(生後4-6日目の濾紙採血)で異常が見つかった場合も当グループで診療しています。また、最近では、特にシトリン欠損症(新生児肝内胆汁うっ滞症および成人発症II型シトルリン血症)に対する治療法を開発し、臨床応用しております。
 
 


1. 先天代謝異常症

 先天代謝異常症は、生きていく上で必要な生体反応(糖代謝、アミノ酸代謝など)に生まれつきの異常があることによりおこる疾患群です。疾患により治療は大きく異なります。特殊ミルクによる治療、酵素補充療法も施行しています。以下のような疾患を診療対象としています。
 

  • 糖代謝異常症
    ガラクトース血症、糖原病など
  • アミノ酸代謝異常症
    フェニルケトン尿症、ホモシスチン尿症など
  • 有機酸代謝異常症
    プロピオン酸血症、メチルマロン酸血症、グルタル酸血症など
  • 高アンモニア血症
    OTC欠損症、シトリン欠損症など
  • リソゾーム病
    ゴーシェ病、ファブリー病、遺伝性ムコ多糖症など
  • その他
    脂肪酸代謝異常症、Wilson病など

 
 私達は、シトリン欠損症について効果的な治療法を考案しました。シトリン欠損症はSLC25A13遺伝子の変異により、新生児期から乳児期には新生児肝内胆汁うっ滞症(NICCD)を、成人後に成人発症II型シトルリン血症(CTLN2)を発症します。新生児肝内胆汁うっ滞症では、黄疸,脂肪便,体重増加不良など肝炎としての症状を認め、生後半年以降に多くは自然に治って行きます。その後、ご飯や甘いお菓子を好まず、豆腐などの豆類、チーズ、肉などを好むといった特異的な食習慣が見られます。一部の患者さんでは、低身長、繰り返す低血糖などが問題になります。
 成人発症II型シトルリン血症では、突然,アンモニア脳症を起こし、徘徊、失禁、異常行動が出現し、無治療では死に至ります。唯一、確立された効果的な治療法として、肝臓移植療法が知られています。しかし、ドナー、費用、手術のリスクなどの問題があり、術後には免疫抑制剤を服用し続けなければなりません。免疫抑制剤には、感染への抵抗力の低下と癌発症のリスクを高める副作用があります。
 私達は新生児肝内胆汁うっ滞症の治療経験から、成人発症II型シトルリン血症に対して中鎖脂肪酸の効果的な治療法しました。現在まで,約10人の患者さんに施行し、全て短期間にアンモニアが低下し、脳症も再発せず、肝機能も改善してきております。肝移植療法に代わる有効な治療法と考え、広く普及することを願っております。頻度の高い疾患でなく、治療効果の指標などが周知されていないために、旧来の治療法が施行されているものと考えております。「シトリン欠損症について」に治療効果の指標を記載してありますので、ご自分のデータの推移をチェックして下さい。主治医などを介して、ご連絡下されば更に詳細な治療法などをお知らせします。
 
 


2. 内分泌疾患

 ホルモンの異常により生じる疾患。低身長、二次性徴の早発・遅延、甲状腺機能障害、副腎機能障害、骨系統疾患(生まれつきの骨の病気)、ターナー症候群などの診療を行っています。具体的には以下の疾患を診療しています。

  • 低身長
    成長ホルモン分泌不全性低身長、低出生体重後の低身長など
  • 下垂体機能障害
    汎下垂体機能低下症、脳腫瘍後の下垂体機能低下症など
  • 甲状腺機能障害
    クレチン症、橋本病、バセドウ病など
  • 副腎機能障害
    副腎過形成症、副腎低形成症、POR異常症など
  • 性腺機能障害
    性分化異常症、外性器異常、思春期早発症、性腺機能低下症など
  • カルシウム・リン代謝異常
    ビタミンD欠乏性くる病、低リン血症性くる病など
  • 水・電解質異常
    中枢性尿崩症、腎性尿崩症、バーター症候群、ギッテルマン症候群など
  • 骨系統疾患
    骨形成不全症、軟骨無形成症、軟骨低形成症、大理石骨病、低フォスファターゼ症など
  • その他
    プラダー・ウィリ症候群、シルバー・ラッセル症候群、ターナー症候群、悪性腫瘍治療後にみられる内分泌障害など

 
 


3. 小児糖尿病

 これまで小児の糖尿病は、1型糖尿病が中心でしたが、小児肥満の増加に伴い、大人と同様に2型糖尿病が増加しています。
 

  • 1型糖尿病
    インスリンを分泌する膵β細胞が破壊されて、インスリンが欠乏することによっておこる糖尿病インスリン補充が必要
  • 2型糖尿病
    インスリンを分泌することはできるが、分泌量が少ないか肥満などでインスリンが働くなっていることによる糖尿病
  • その他の糖尿病
    ミトコンドリア異常による糖尿病、遺伝性の糖尿病 (MODY)、新生児糖尿病など

 
 1型糖尿病の患者様を対象に行っている「山形県小児糖尿病サマーキャンプ」の運営に携わっています。
 
 


4. その他

 最近社会問題となっている小児肥満(高度肥満)をはじめ、高脂血症、肝機能障害の診療も担当しています。
 
 


5. 研究

 上記疾患の一部の遺伝子解析を行っています。
 
 
 


<低身長で受診される方へ>

 過去の身長・体重のデータがとても重要です。母子手帳、成長の記録(保育園、幼稚園、小学校、中学校)を予めご用意下さい。また、ご両親の思春期の様子(身長が伸びた時期、初潮の年齢)も参考になりますので、可能な範囲で調べておいて下さい。
 
 

<悪性腫瘍(白血病、脳腫瘍、悪性リンパ腫、神経芽細胞腫など)治療後に思春期が来ない、低身長などホルモン異常が疑われる方へ>

 近年、悪性腫瘍治療後に時間が経ってから、後遺障害が出ることが知られるようになりました。特に、ホルモンを出す器官は、強い治療に対し抵抗力がないものが多く、ホルモン異常が問題となっています。思春期が来ない場合、低身長などのホルモン異常があるときは、主治医の先生にご相談するか、内分泌専門医にご相談下さい。
 
 

<肥満について>

 山形県の児童・生徒は、文部科学省の統計から全国と比べ、肥満傾向児が多く、かつ肥満になる時期も早いことがことがわかっています。小児期の肥満は、成人に肥満につながります。特に、思春期の肥満は70-80%が成人肥満に移行するので注意が必要です。また、肥満傾向のうち、いわゆる生活習慣病のリスの高い中等度肥満、高度肥満も多く、大きな問題であると考えています。適切な食事、運動を行い、肥満にならない・肥満を進行させないようにすることが大切です。 学校健診で、肥満のため医療機関を受診するように勧められたときは、必ず医療機関を受診するようにしましょう。